深水黎一郎『花窗玻璃  シャガールの黙示 』(講談社ノベルス)レビュー

花窗玻璃 シャガールの黙示 (講談社ノベルス)

花窗玻璃 シャガールの黙示 (講談社ノベルス)


 
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 名探偵の瞬一郎氏が認めた日本語復権のテクスト「花窗玻璃」の外来語表記の各々を、最初にルビを見ただけで、あとはなるべくルビに目をやらず(至難のワザでした)に一生懸命読んだのに、途中で「ルビこそは、日本語最大の発明の一つですよ!」って、作者にフォローされてやんの。美術史の蘊蓄はふんだんに盛られども、全体的にタイトなつくりで、スマートな印象が前面に出ているけれども、トリックは結構派手で、とってもよいです。コーダはちょっとやるせなく。