本格ミステリ作家クラブ・編『本格ミステリ09 』(講談社ノベルス) レビュー



 いくぜ。「しらみつぶしの時計」おあとがよろしいようで/「路上に放置されたパン屑の研究」面白うてやがて哀しき日常の謎/「加速度円舞曲」今回は泡坂テイストで/「ロビンソン」ニヒリズムとしての諜報戦の持つ乾いた味わい/「空飛ぶ絨毯」謎の設定はマルですけれども、タイトルがチョメ/「チェスター街の日」ロマンティック/「雷雨の庭で」荒業/「迷い家の如き動くもの」大技なのに、どことなくとぼけた味わい/「二枚舌の掛軸」あの短編集中もっとも凝ったものかと思いきや、短期決戦だったんですか/「『モルグ街の殺人』はほんとうに元祖ミステリなのか?」要するに、空気、なのだそうです。