帝国崩壊の、いよいよ始まり



 1、いよいよだな、と思う。アメリカの時代が終わる。普天間問題で、鳩山が「抑止力」について不勉強だったというような白々しい弁明を、さも現実知らずのように大マスコミは書きたてているけれども、それもまた白々しい。アメリカ側のゴリ押しは、対日管理政策が手詰まりになってきていることを逆に示す。普天間の閉鎖を容認すれば、日本における反米感情はクールダウンするだろうし、嘉手納基地があるかぎり中国へ牽制する機能は十分担保される。こんなことは、とっくにアメリカで検討されていたはずなのに、やはり土壇場で日米の安保利権屋に巻き返された、というところだろう。鳩山の最大の失敗は、ポスト基地経済の沖縄振興策を大胆に打ち出せなかったことにあると思う。たとえば、沖縄を、アジアの新しい金融センターにします、というような大きくカネが動くような構想を打ち出せていれば、沖縄の土建・地主利権屋を完全に取り込めただろう。米軍の予算ぶんどり合戦など一蹴できた。
 
 2、だから、アメリカの対日管理政策担当者軍団は、日本人の「民意」を読めていないのだ。自分たちのイエスマンを育てすぎて、自分たちの周囲に侍らせすぎたのだ。大マスコミは、今まで沖縄の基地問題をネグッてきたのに、反鳩山で、沖縄、徳之島の「反対集会」を大々的に取り上げた。米軍基地に対する「反対」を、鳩山政権に対する「反対」にすりかえられると、思っていたようだ。マジで。

 3、社民党は連立離脱と威勢がいいが、切られただけの話。大きくいえば、民主党との合流話がオシャカになったときからの流れ。沖縄に地域政党(沖縄独立党?)が出来ようものなら、完全に埋没ですもの。スジは通した。で、野党で自民党と共闘?

 4、ブタだかバカだか知らないけれども、EUの財政危機が、アメリカにも飛び火したようで。ゴールドマン・サックスがらみらしい。日本においては、先日ゆうちょ銀行の預金上限額が2000万円に引き上げられることになったが、明らかに日本国債の消化と、米国債の受け入れが主目的。で、このジャンク債たる米国債が本物のゴミになったら、日銀が原価で買い取ることになる。日銀が米国債ファイナンスする。もうそれで、十分アメリカに義理を果たしているのに、メタボな基地ひとつ撤去できないのは、やはり日本の有象無象たちの跳梁跋扈が原因なんでしょう。今は懐かしい民主党が前原体制時代に起こった偽メール事件。偽メールに引っかかった某元議員は結局病院に入って自裁したそうだが、議場で前原の肩に、小泉が手を置いたシーンは、日本憲政史上に残る珍場面だろう。あれは結局、「なあ、お仲間よ」ということだったのだろう。

 5、いずれにせよ、もうすぐ帝国が崩壊する。経済的な余波は、政治に直結するだろう。必然的に国民を食わせることのできる人間と、その子分たちが生き残る。経済と政治の坊主階級の人間たちの出る幕は、もうない。泥臭い「大人」が生き残る。左右問わずロマンティックな者たちには、もうなすすべがない。ロマンティックな政治家、役人、報道屋、言論人には、退場していただこう。

 P.S. 北朝鮮の面前で、相討ちするなんて…………ねえ。田中宇の国際ニュース解説「 韓国軍艦「天安」沈没の深層 」