『蝦蟇倉市事件 1・2』(東京創元社)レビュー



 70年代生まれの作家の競作集、なんだけれども、収まりがよいとはいえない。“本格”臭が中途半端に漂っているのが、裏目に出ていると思う。道尾、伊坂、米澤作品あたりのセンでまとめられればよかったか。本格ものは、桜坂作品のようなパロディ的扱いに徹するべきだったように思う。