石持浅海『攪乱者』(実業之日本社ジョイ・ノベルズ)レビュー

本日のエピグラフ

 「(…)日本でテロリストをやっていても、それだけでは食えないからね。(…)だから庶民の幸せを日常生活に取り入れるのも、テロリストとしては大切なことだ」(「Mission:2  一握の砂」P60より)

攪乱者 (ジョイ・ノベルス)

攪乱者 (ジョイ・ノベルス)



ミステリアス
クロバット
サスペンス
アレゴリカル
インプレッション
トータル40


 セキュリティ国家の論理を、論理のアクロバットで揶揄したような連作短編集。面白かったし、面白いことを考えるよなあ、と。ロジックがシュールなカーブを描いて、“必然”を剔出してしまうとき、果たして世界のリアリティは歪んでいるのだろうか。