森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』(角川書店)レビュー

ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイ



 上手いもんです。センス・オブ・ワンダーの精神を、ちょっと屈折してるけれどもイノセントな子どもの探究心が切り取る世界に注入して、成長小説に仕立て上げた。不条理な現象のイメージの喚起の仕方が、小説の基底をなしていると思う。