2011-05-19 飴村行『爛れた闇の帝国』(角川書店)レビュー 作者名ア行 爛れた闇の帝国作者: 飴村行出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2011/01/28メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (15件) を見る 傑作にしてケッサクだった『粘膜蜥蜴』でみせたインパクトが、持ち重りのある小説づくりで薄れているものの、カタルシスを拒否するような結末まで、戯画的な恐怖と陰惨さの緊張感は持続する。この作者が小説の基底に据えているのは、あらゆる種類の貧しさの袋小路であるよう思える。