麻耶雄嵩『貴族探偵』(集英社)レビュー

本日のエピグラフ

 「(…)私の頭脳はそこにいる三人ですよ。彼らは私の所有物である以上、推理などといった下らないことは、彼らにやらせておけばいいのです」(「春の声」P291より)

貴族探偵

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 麻耶さんは、鮎川哲也に近くなってきてるのかなあ。この作者ならではのシュールな問題意識を、とりあえず措いておくとして、のことだけれども。成熟というよりも老成といったほうがいいのかも。「こうもり」の堂々した書きっぷりといったら、もう。