吉田恭教『ネメシスの契約』(光文社)レビュー

本日のエピグラフ

 「俺は判事なんてまっぴらだな。量刑が重ければ被告に恨まれ、軽ければ被害者側に恨まれる。(…)」(p.129)

ネメシスの契約

ネメシスの契約



ミステリアス
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 福ミス受賞後第一作は、間違いなく力作だ。物語的にかなりの無理筋を通しているかもしれないけれども、ここまでやってくれれば、却って面白い。作者には、本格的に名探偵キャラを創出して、ディーヴァー流の高みへと登ってほしいと思う。期待してます。