服部真澄『KATANA カタナ』(角川書店)レビュー

KATANA カタナ

KATANA カタナ



 近未来小説だけれども、先端技術と政治の共犯関係についての真摯な模索がテーマ。ストーリーテリングはさすがに抜群で、生硬ではないのだが、エスピオナージを期待すると、ややすかされるかも。根底にあるのは、人間の実存性をめぐる闘争だ。