本日のエピグラフ
「壁面全体に浮きあがる絵を、見るのね」/(…)/『最後の審判』――。(p.278)
- 作者: 柄刀一
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2010/11/12
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 10 |
アクロバット | 10 |
サスペンス | 8 |
アレゴリカル | 10 |
インプレッション | 10 |
トータル | 48 |
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絶品集。ええですわ、一編このくらいの分量が、作者が最高のパフォーマンスを実現するのではないか、と。若き日の御倉瞬介の犀利な推理が愉しめる中篇集。だが、各話長編一本分の持ち重りは確実にある。表題作は、“歴史”と“悲劇”についての物語を、ミステリーの形式で、アレゴリカルに拡げてみせ、書き下ろし「闇の揺りかご」では、“悲劇”のなか生の力をミステリーのかたちに凝集させる。他の二編も、生の最果ての愁情が、異形の論理を観念的に生み出した、その逆説的パトスを、探偵小説として剔出するのに、いささかの揺るぎも見られない。