東川篤哉『放課後はミステリーとともに』(実業之日本社)レビュー

本日のエピグラフ

 (…)つまり逆立ちしたってカープのエースになれない僕は、この学園で自らが名探偵になることに決めたのである。(「霧ヶ峰涼の屈辱」p.8)

放課後はミステリーとともに

放課後はミステリーとともに


 
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トータル42


 たぶんホントは、『霧ヶ峰涼のОО』というカタチにしたかったのだろうけれども、このタイトルでベストセラーになっているのだから、前作の調子に揃えたのは正解だったわけだけれども、とにもかくにも、「ミステリー」と堂々とタイトルに掲げている本が売れるのは、寿ぐべきこと! 前作と同様に、各編趣向が凝らされていて、本格の妙味を知った読者の裾野が拡がってくれれば、と。高校生が80年代のネタをかますのは、世代を倒錯させたお約束ギャグだからね、言わずもがなだけれども。