2011-05-21 柳広司『ロマンス』(文藝春秋)レビュー 作者名ヤ行 ロマンス作者: 柳広司出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/04メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (13件) を見る 版元が版元だけに、直木賞狙い、な感じがしないでもないけれども、昭和維新とテロリズムの胎動を、華族社会のしっとりとした雰囲気をからめて描く。サスペンスはゆるやかだけれども、戦前日本のアウトサイダーである主人公の陰影が、本編を泥臭さから救っている。