三津田信三『七人の鬼ごっこ』(光文社)レビュー

七人の鬼ごっこ

七人の鬼ごっこ



 ホラー・サスペンスと探偵小説的興味の融合ということでは、間然するところなし、恐怖を煽るネタが、コケオドシに終わってない。怪異を説得的に読者に提示する算段と、謎が解明される物語的手順それぞれがカタルシスにむけて堅牢に構成され、その相乗効果が小説に厚みを持たせている。