本日のエピグラフ
「(…)まるで同しものを、『悪し』とも『良し』とも呼ぶんだから、ややこしい話で……」(「鍋屋敷の怪」p.303)
三題噺 示現流幽霊 神田紅梅亭寄席物帳 (ミステリー・リーグ)
- 作者: 愛川晶
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2011/04/22
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 9 |
アクロバット | 9 |
サスペンス | 8 |
アレゴリカル | 9 |
インプレッション | 10 |
トータル | 45 |
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落語ミステリというより、確固とした芸術ミステリである本シリーズ、いったんお開きということであるけれども、でも、いったん、ということになったのは、有難い。表題作で、作者オリジナルの新作落語を登場させて、シリーズを完成させた。語りと騙りが交錯するところに人情の機微、悲喜交々を実感させる、大人の、というだけでなく、時による風化に耐えうる、本格ミステリである。