- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/08/24
- メディア: 単行本
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この作者が偉いと思うのは、作家的進展のやり方を、作風の転換によってでなく、作風の幅を拡げるかたちで成しているということ。腰が据わっているというべきだろう。本作は、封建的なるものに対する憎悪とメロドラマを組み合わせた、作者としては新境地を目指したものだが、到達点というよりは、ジャンピングボードのひとつとして機能してもらいたいと思う。