獅子宮敏彦『君の館で惨劇を』(南雲堂)レビュー

君の館で惨劇を (本格M.W.S.)

君の館で惨劇を (本格M.W.S.)



 本格ミステリ世界に対するオマージュ、というよりも、ほとんどカルト的な異形性の側面を容赦なく描いた、という感じが。要するに、内部からの自己言及性がメインでなく、外的視点からその宗教的心性を探測するのがテーマだったのでは。ガジェットとして往年の作品群が使用されるのがキモ。