2012-08-20 高野史緒『カラマーゾフの妹』(講談社)レビュー 作者名タ行 カラマーゾフの妹作者: 高野史緒出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/08/02メディア: ハードカバー購入: 2人 クリック: 39回この商品を含むブログ (53件) を見る 今年の乱歩賞は、風格で勝ち取った感じ。名作の続編パロディだけれども、19世紀末の革命前夜の“人間”たちの不穏な蠢動を、意外な装置をも導入して、シニカルに捌いて、本家の小説空間の引力圏から、軽々と逃れる。来るべき疎外される理性の時代の予兆を、逆説的に“無意識”に篭めていると見た。