折原一『潜伏者』(文藝春秋)レビュー

潜伏者

潜伏者



 ここまで胡散臭さを作風にしてしまってよいのか、とたじろぐほどのノンストップ・スリラー。戯画的な人物造型が職人的に洗練されていて、たじろいでしまう。思ってみれば、作者も筆歴ももう四半世紀だよね。「作家生活○○周年記念作品」みたいなことやればいいのに。