2013-10-31 芦辺拓『時の審廷』(講談社)レビュー 作者名ア行 時の審廷作者: 芦辺拓出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/09/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (5件) を見る 作者のトリックメーカーとしての意識と鋭利な社会批判が交合した作品は、『時』シリーズ前二作のほかにもあるけれども、本作は、社会派というよりも歴史ミステリーという枠組みに当てはめたほうが、しっくりくる。歴史の“出来事”をつないで、より大掛かりな歴史的悪意を、探偵小説という舞台上で炙り出している感じ。快作にして怪作。