麻耶雄嵩『化石少女』(徳間書店)レビュー

本日のエピグラフ

 「(…)俺は探偵の手伝いをすると云ったんです。犯人から推理を逆算するなんて、もはや探偵ではありません。(…)」(「第五章 幽霊クラブ」p.281) 

化石少女 (文芸書)

化石少女 (文芸書)



ミステリアス
クロバット10
サスペンス
アレゴリカル
インプレッション
トータル44


 作者が、ラノベ的方向性にややシフトしたら、こんな感じになった、という風にもいえるけれども、作者にとって学園ミステリの領域は、まだまだやり残したことがあるのかも。ロマンティックな閉鎖空間内で、リアルが変質していくという、虚構空間内のお約束的説得性に、何らかの賭け金が埋まっているのだろうか。