安萬純一『青銅ドラゴンの密室』(南雲堂)レビュー

本日のエピグラフ

 大ドラゴンとそのまわりの小ドラゴンたちが全身を光輝かせていた。雷がドラゴンたちを生き返らせ、雄叫びを上げさせたのだ。(p.30) 

青銅ドラゴンの密室 (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)

青銅ドラゴンの密室 (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)



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トータル43


 快作(怪作)。ネタ振りとハッタリのかまし具合が、スマートかつストレートに決まっていて、満足。作者は書ける人だろうから、他ジャンルに新境地を拓くかたわらで、本格路線を維持していただきたいもの。ていうか、デビュー作のような一筋縄でいかない面妖な感じが、小説の構築性に余裕を持たせているようなのが、また読みたいです。