本日のエピグラフ
「あやうく焼却処分されそうになったのを、研究用という名目で引き取って、自分の手元に置いておくことにした。医師の役得だな。メメント・モリ、『死を忘れるな』という教訓だよ」(p.183)
- 作者: 鳥飼否宇
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2015/01/10
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 9 |
アクロバット | 9 |
サスペンス | 8 |
アレゴリカル | 9 |
インプレッション | 9 |
トータル | 44 |
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今年に入って、作者名義の作品が矢継早に刊行されるようだ。本格ファンとしては、頼もしいばかりだが、先陣を切る本作は、残酷なエキゾチズムとソリッドな逆説的論理が相まって、硬質な小説的印象を醸し出す。真相を作者のフィールドに引き入れた感のある話がやっぱり興味深かったけれども、ラストシーンの暗転に、スタイリッシュなニュアンスが出ているのは、さすが。