滝田務雄『田舎の刑事の好敵手』(東京創元社)レビュー

田舎の刑事の好敵手 (ミステリ・フロンティア)

ミステリアス	８
アクロバット	８
サスペンス	７
アレゴリカル	７
インプレッション	８
トータル	３８

　シリーズ初長編で、スラップスティック的要素のほかに、ネタ振りにも気を払っているのが、意外といえば意外だった。てっきり、臆面もないギャグを前面に出して、無理矢理、無茶苦茶なニュアンスを出してくるかと思ったのだった。長編では、ドラマ性の担保により、小説の輪郭がはっきりと見えるので、まだ例えばケンリック風には、攻めあぐねるといったところかも。