鳥飼否宇『絶望的 寄生クラブ』(原書房)レビュー



 おあとがよろしい。という評価を得てほしいと願うが、いずれにせよ、作者入魂(!)のバカ作、いや力作。そう、魂を込めた寄生、いや稀世の大作なのよん。過去に発表したバカミスに寄生したかたちで、マスダベ教授の奇々怪々なアイデンティティー探求譚が構成されているが、エログロを愉しめるが、ミステリ者としては「出世作」に気勢を上げたい。