竹本健治『ウロボロスの純正音律』(講談社)レビュー

本日のエピグラフ

 そこには、今も云う通り、百二百の探偵小説を組み立てるに足る程の夥しい素材が転がっているのだ。読者は、(中略)読者自身の探偵小説を構成しながら、その幻影を楽しむという、風変わりな遊戯を試みる気になれないであろうか。(「序」江戸川乱歩小栗虫太郎黒死館殺人事件』より)

ウロボロスの純正音律

ウロボロスの純正音律


 
ミステリアス9 
クロバット9 
サスペンス8 
アレゴリカル9 
インプレッション8 
トータル43  




 『黒死館』の前では、実践あるのみ、なんだなあと改めて実感しますですよ。偉大なるこの玩具箱、大事なものは、中に入っている玩具ではなく、これを収納できる「箱」そのもので。にしても、三、二、一と来て、次は〇であるならば、だったらその場合は、小文字のタケモトが被害者になるのかなあ。ていうか、そうでないと、いままで殺された方々が可哀そう(もちろん殺した方々も・笑)。