星野智幸『植物診断室』(文藝春秋)レビュー

植物診断室

植物診断室



 
あからさまなヤスクニ批判でシンタローを鼻白ませた作品。新しい“父性”を描いたものとして好感度が高いんですが、そのような父上は果たして“親殺し”を許容するのだろうか、とずっと引っかかっておるのです…………結局、シンタローは“親殺し”なき時代の永遠の“父親”のイメージでウケているわけでしょう。“父親”がフェミニンになったところで事態はかわらないとおもうんですが…………小説は、面白いですよ。