貴志祐介『新世界より 上・下』(講談社)レビュー

新世界より (上)

新世界より (上)

新世界より (下)

新世界より (下)



 とにかくテクノロジーがどの方向性で進化していくのか、“速度”よりも“力”をどう見積もるかが、来るべき世界のリアリティにかかわってくる。作者の遠未来ないし超未来の認識は、作者のビブリオグラフィを顧みれば、ひどくナットク。じつはこの作品、現在の「公共圏」をめぐる議論と通底しているのですよねえ。ということを考えても考えなくても、一気読み超面白本。