飛鳥部勝則『堕天使拷問刑』(早川書房)レビュー

本日のエピグラフ

 「そうです。天使です。天使が悪魔を拷問刑にかけているのです。悪魔が堕天使だとしたら、堕天使拷問刑に処しているといってもいい」(P393より)

堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)

堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)


 
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 むはっ。いかにもセカイなアーキタイプを、思う存分ひっかき回してくれる。作者の描くエゴイズムのさまざまな発現の仕方が、ワタクシ的にツボなんですけれども、本作ではそれらが共同体の習俗と対比されているのがミソ。にしても、インパクトのあるタイトルです。