- 作者: 大沢在昌
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/09/01
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- 作者: 大沢在昌
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/09
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“国境”が流動化しているなか、警察官の行動規範の礎になるものを問おうとする作者の姿勢は、いささかも揺らいでいない。作者は“正義”と“大義”と“倫理”が、重なるようで、決定的に齟齬することを、最も深いところで捉えている。そして、それらの間で、「愛国心」とやらが空虚になることも。読者は、複雑巧緻なプロット、物語の息つかせぬ展開に身を任せていればよいが、読後、“国家”が、各キャラクターの行動規範の集積、そのアモルファスな像の背後から、どのように浮かび上がってくるか、そんな挑発を作者はしているのではないかと思わせる。