2008-12-24 西澤保彦『スナッチ』(光文社)レビュー 作者名ナ行 スナッチ作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/10/22メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (31件) を見る 「盗まれた」のは街ではなく、人格の方。寄生物ものを、記憶喪失テーマに接近させてみたワケで、設定を小説としてきっちり消化=昇華させているのが、ベテランの力量を示す。物語が佳境に入ってからのサスペンスもなかなかのもの。『収穫祭』で、母子テーマにケリをつけたのか、最近の作者の関心が“家族”の構成的側面に移っているのが印象深く。