松波太郎『よもぎ学園高等学校蹴球部』(文藝春秋)レビュー

よもぎ学園高等学校蹴球部

よもぎ学園高等学校蹴球部



 表題作より、断然「廃車」のほうがいい。“他者”の不吉さを誠実に写し取って、物憂い空気を醸し出している。表題作は、スポーツをテクストに回収させまいとする意思の産物であるとしたら、反ハスミ的で愉しいけれども。