永嶋恵美『W――二つの夏』(講談社)レビュー

W――二つの夏

W――二つの夏



 語り手の少女たちをはじめとする若い登場人物たちの肖像がくっきり浮かび上がってくるぶん、作為的な構成が一般読者にどう受け止められるか気になるけれども、一編の小説としてのカタルシスがあるのは確か。成長小説として間違いなく成功している。