倉阪鬼一郎『薔薇の家、晩夏の夢』(東京創元社)レビュー

薔薇の家、晩夏の夢 (創元クライム・クラブ)

薔薇の家、晩夏の夢 (創元クライム・クラブ)



 作者の言葉の魔術師ぶりを、堪能できる――かどうかは、読んでのお楽しみ。ゴシックな世界が、悪夢的な生々しさというより、言葉の茨で囲まれた静謐さでもって演出される、このひとならではの贅沢な遊戯。