倉知淳『こめぐら』『なぎなた』(東京創元社)レビュー

こめぐら (倉知淳作品集)

こめぐら (倉知淳作品集)

なぎなた (倉知淳作品集)

なぎなた (倉知淳作品集)


 
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 ブログ立ち上げて五年になんなんとするのに、まだこのひとの本を取り上げていなかった! だって、出ないんですもの。今回の同時刊行の短編集二冊、全十三編、作者の過去から現在に至る軌跡を一望できるのだけれども、なんだったら猫をフィーチャーした短編集を編んでほしかったなあ。「Aカップの男たち」と「毒と饗宴の殺人」と「闇ニ笑フ」は、作者のシニカルな感性が、それぞれロジック、逆説、ミスディレクションに効果的に資している。