芦辺拓『七人の探偵のための事件』(早川書房)レビュー

七人の探偵のための事件 (ハヤカワ・ミステリワールド)

七人の探偵のための事件 (ハヤカワ・ミステリワールド)



 探偵小説家というより本格戯作者としての側面が強まってきたような。セルフパロディがきっちり成立するのが、作者の二十年の作家歴の充実を物語っているが、こういう設定ならば、いっそジュブナイル的アプローチでキメたほうが、愉しさが際立ったような気がしないでも。