黒川博行『繚乱』(毎日新聞社)レビュー

繚乱

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 まあ昨年末から下らない災難に見舞われた作者だったけれども、久しぶりの新作は憂さを晴らすような剛速球。『悪果』の続編は、完全なピカレスク・ロマンで、欲望の絡み合った毛玉を、元悪徳警官コンビが手玉にとるべく、利権構造の底の底を駆けずり回る。