青崎有吾『水族館の殺人』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ

 「頭はいいし、嘘はつかんし……こんな素敵な相棒は、他にいないよ」/(…)/「僕はあまり、信用できませんけど……」(pp.248‐249)

水族館の殺人

水族館の殺人



ミステリアス
クロバット10
サスペンス
アレゴリカル
インプレッション
トータル43


 鮎哲賞受賞後第一作も自分のペースを維持した感じ。論理を詰めていく手続きの合間に、それ系のネタを敷き詰めて、小説内部の緩衝材にした印象があるけれども、解決段で「名探偵みなを集めてさてと言い」方式を採用するのは、必ずしも効果的とはいえないのでは。犯人特定への階梯ごとに、場面を設定したほうが、間が持つのでは。