予想通り、アベノミクスは、アベコベの状況になってきたようだ。いまもなお、リフレ政策を信奉している者は、露骨にバブル経済を待望するようになっている。さもしさここに極まれりだが、バブルアゲインの遠吠えに、さらに冷や水を浴びせるために、昨年出た良著から、日本経済の現状をおさらいしよう。
- 作者: 佐々木融
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/04/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書で、世界の投資マネーがリスクオンになったら、必然的に円安に振れることを確認してほしい。経常収支悪化が、それに棹差す。しかし、今の状況が、株価が40〜50%上昇したのにもかかわらずインフレ(コアコア)が1%以下というと、80年代後半の円高不況後のバブル時期と酷似しているというのが、興味深い、というか空恐ろしい。
- 作者: 久保田博幸
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2013/08/20
- メディア: 単行本
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高橋是清のリフレ政策のおさらいもきっちりできるが、何よりも、「異次元緩和」が、日銀の中長期債の購入による流動性リスクの増大を招いたことを指摘しているのが重要。
- 作者: 小幡績
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2013/08/13
- メディア: 新書
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「成長戦略」というコンセプト自体を大間違いとする。国土強靭化計画とは、対極のパースペクティブを示して、明晰だ。円安は、日本のグローバル戦略において、甚だしい障害を及ぼすのだ。