2014年8月版



 今年は、なんだか創元の上下本ばかり贔屓にしているようになっちゃって。『北京』は、少々苦手だったマンケルが、ぐーっとこっちに寄ってきた印象があって、余計に高評価。ヴァランダーものは、あまり融通が利かなくなったのかも、と思えるくらい、小説に厚みがある。『ハリー』は、ちょっとオフビートなノリが、軽い印象を与えているみたいだけれども、読者をはぐらかす技量と志向性を見られて、十分頼もしい。たぶん、クックとは違う行き方をすると思うのだが、どうなんだろう。『W&M』は後半三編がツボで、全編カリカチュアが一筋縄ではいかない結構に結びついているのが、見事。
  

★★★★★…………面白い!
★★★★…………読み応えあり。
★★★…………一応、満足。


北京から来た男 上

北京から来た男 上

北京から来た男 下

北京から来た男 下

★★★★★


ハリー・クバート事件 上

ハリー・クバート事件 上

ハリー・クバート事件 下

ハリー・クバート事件 下

★★★★★


被告人、ウィザーズ&マローン (論創海外ミステリ)

被告人、ウィザーズ&マローン (論創海外ミステリ)

★★★★