本日のエピグラフ
「(…)実際は、身近なたった一人の死のほうが、世界の終わりに近いものをもたらしたりしないだろうか。率直に言って、見知らぬ数千人よりも、一人の死のほうが、その個人にとっての世界を変える。粉砕する。(…)」(p.276)
- 作者: 柄刀一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/10/29
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 9 |
アクロバット | 10 |
サスペンス | 9 |
アレゴリカル | 9 |
インプレッション | 9 |
トータル | 46 |
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三年のブランクをもろともせず、冒頭から作者の小説世界に引き込まれて、大満足。アンチ・ミステリーの作法を脱構築して、本格ミステリーの再構築をしたという戦略性と、そのイヤミのなさが、作者の底力を示している。ロマンとともに、シュールさを追求してくれれば、作者の新展開に期待が持てる。