小島正樹『呪い殺しの村』(双葉社)レビュー

呪い殺しの村

ミステリアス	８
アクロバット	９
サスペンス	８
アレゴリカル	７
インプレッション	７
トータル	３９

　作者の講談社ノベルズのシリーズの方は、個人的なツボにはまらない。名探偵小説のエンタメ性を構築し辛い時代になってきているのかもね、とつくづく。こっちの名探偵ものは、アナクロに立脚しているぶん、膂力がある。伝奇小説的なハッタリのノリ加減は、もうちょっとアゲてもいいと思うけれども、なんというか、島荘よりも高橋克彦の路線の方がいいのでは。