青崎有吾『図書館の殺人』(東京創元社)レビュー

図書館の殺人

図書館の殺人



 シリーズ第4弾で長編第3作目の本作は、ロジカルな構築性がシュールなかたちで決まっていて、申し分ない。だから問題は、小説の味付けの部分なんだよねえ。米澤穂信と比べるのもアレだし、探偵役のキャラ設定がそういうふうにしちゃってるのはわかるんだけれども、もうちょっとパロディ的技法を磨くのは、必須の課題でしょう。にしても、青崎版『双頭の悪魔』をはよ読みたいわあ。