岩木一麻『がん消滅の罠 完全寛解の謎』(宝島社)レビュー



 最近のこのミス大賞は、いかにも読む気にならんが、この作品はたまたま読んだ。他の賞だったらまあアレだけれども、このミス大賞だったらナットク。って、必ずしも消極的評価ではなくて、医療現場をめぐる状況から派生する謎とその解決が、ほぼストレートに展開されて、物語の焦点がぼやけない分、ミステリーとして洗練されて見えた。まあ、他の賞につれなくされるような作品が、顕彰されるのは、よいことです。