中山七里『静おばあちゃんと要介護探偵』(文藝春秋)レビュー


静おばあちゃんと要介護探偵

静おばあちゃんと要介護探偵

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 社会派ミステリをマンガ的な勧善懲悪ドタバタ路線へと折衷させてみせたのは作者ならではという感じで、やや荒唐無稽なトリックや論理展開の違和感をやわらげる。第三話と第四話の重層的プロットが本格読みのツボにハマるが、最終話の大団円はお約束の温もりを楽しがれるかどうかで評価は分かれるだろうが。