武田砂鉄 最果タヒほか『平成遺産』(淡交社)レビュー


平成遺産

平成遺産


 リベラル左派系論者を中心にした「平成」をめぐるエッセー・オムニバス。まあ最後に卓袱台をひっくり返す武田砂鉄のはあまりにもベタな仕草で鼻白むが、女性論者の筆が冴えてる。というか、語っていることが時代の本道すぎる。みうらじゅんも含めて男たちは添え物的存在感の薄さが如何ともしがたいが、世紀末から世紀初頭の社会的カオスは、女たちを防波堤に氾濫=反乱をコントロールされていたのか。