2022-01-01から1年間の記事一覧

聞いてない、よ

人生他力本願 (14歳の世渡り術)作者:上島竜兵河出書房新社Amazon やっぱりキツいよ、このひとが志村の後を追うように自裁したのは、さ。イロモノ系の小芸人からグーっとお笑いのメインストリームに来て、そこからさらに志村一家の番頭的役割になったような感…

であってよかったもん

菫 / 言葉にできない(初回限定盤)アーティスト:坂本真綾フライングドッグAmazon デビューもうすぐ30周年になるのに、この歌声の透明感。アニメの「であいもん」も「本好きの下克上」も見てるけれども、いいねえ、しっくりくる。アーティストとしての存在感…

素晴らしき新自由主義的世界

70歳からの世界征服作者:中田 考,田中 真知,矢内 東紀百万年書房Amazon 中田考ってイスラム法学者とかいってるから、ためしにこれ読んでみたんだけれども――えーっ、言ってること、ほとんどネオリベと同じじゃん! びっくりしたよ。老人は○○ってはっきりいっ…

少年よ名詩を抱け

ラクダのまつげはながいんだよ 日本の子どもたちが詩でえがいた地球作者:長田 弘講談社Amazon サツバツとした世界になってきたからこそ、子供たちのみずみずしくすがすがしい詩の世界へ。各々の詩に付せられたコメントも、名文ぞろいね。第3次世界大戦だあ…

歴史はバカバカしくつくられる

徳川埋蔵金はここにある-歴史はバーで作られる2-作者:鯨 統一郎双葉社Amazon 鯨統一郎の知的アクロバットを久々に堪能。基本的に引き出しの多いひとだから、それだけに融通無碍にお話を進める小器用さが悪目立ちしている印象もあるけれども、それでも読み手…

ほっぽときや

世の中それほど不公平じゃない 最初で最後の人生相談 (集英社文庫)作者:浅田 次郎集英社Amazon いやあ、たまたま読んだこの人生相談、浅田次郎って、こんなにも俗物感まるだしのヤカラだったんだなあ。何冊か初期作品よんだだけだけれども、はっきりと見切り…

行乞は凝惚

種田山頭火―漂泊の俳人 (講談社現代新書 363)作者:金子 兜太講談社Amazon 面白かった。金子兜太の文章も平明闊達で読みやすい。行乞の道をひとり、ただひとりで闊歩して、しかし求道的ではない、漂白の境地に、自意識を解体/凝縮させた。そうして、観照の精…

ふたつの査問

ふたつの波紋作者:伊藤 比呂美,町田 康文藝春秋Amazon 面白いね、さすがに。町田のほうが融通無碍なぶん、アドバンテージを取りやすいかなあ、そこはズルいかなあ、と思った。伊藤が守勢に回るのは、自分というものの足場を崩すまいと踏ん張ってる印象があり…

神は詰んだ

聖書を読んだら哲学がわかった キリスト教で解きあかす「西洋哲学」超入門作者:MARO(上馬キリスト教会ツイッター部)日本実業出版社Amazon 面白い面白い。ていうか、神学ってロジックの展開が何かのアレゴリーに援用されてるんじゃないか、と思って、興味を持…

神は詰んだ

聖書を読んだら哲学がわかった キリスト教で解きあかす「西洋哲学」超入門作者:MARO(上馬キリスト教会ツイッター部)日本実業出版社Amazon 面白い面白い。ていうか、神学ってロジックの展開が何かのアレゴリーに援用されてるんじゃないか、と思って、興味を持…

空気の子

「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書)作者:尚史, 鴻上岩波書店Amazon 鴻上尚史の人生相談本読んでから、こちらの本を読むけれど、まあ子供向けだったら、こんな感じでの啓蒙になるのかなあ。ガキンチョたちも、世間的暴…

世間を牽制

鴻上尚史のますますほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋作者:鴻上 尚史朝日新聞出版Amazon 鴻上尚史って人生相談本、出してたんだねえ。読んでみて、相談回答の半分くらいしか賛同や共感を覚えなかったけれども、ただ賛同しない回答も、明…

微意取る図

実話BUNKAタブー 2022年5月号コアマガジンAmazon 今月のブンタブ、意外とプーチンネタを持て余してたなあ。逆張りで橋下某みたいにロシアの肩もつかと思ったけれども。でも一番オモローだったのは、小田嶋隆が編集部に嚙みついてたこと。超タブーの方でビー…

蛮民の法

ジョン・ロールズ-社会正義の探究者 (中公新書 2674)作者:齋藤 純一,田中 将人中央公論新社Amazon こんな物騒なご時世で、ロールズ概論本を読むとは、オツなものと言ってよいのやら。ロシアはアメリカの介入主義のロジックをほぼなぞってるようだし、という…

病んでなんぼのお維新よ

悩んでなんぼの青春よ ――頭がいいとはどういうこと? (ちくまQブックス)作者:森 毅筑摩書房Amazon 基本的には、老数学者の放言でしかないんですが。でも、これ読んで、こういう意識が維新的なネオリベゴーリズムを支えてるんだろうなあ、と。リベラリズムが寛…

ヤバイの倍返し

#日本ヤバイ作者:雄一郎, 玉木文藝春秋Amazon お前がな、というしかないでしょ。まあ、連合のトップがアーパーなヤカラだからというのもあるけどさ、ほんとに維新を超えたクソっぷりだわ。

堂々と説く

答えのない道徳の問題 どう解く? 正解のない時代を生きるキミへ作者:やまざき ひろしポプラ社Amazon この本、いいよね。ていうか、あばれる君の回答めっちゃクレバーやん。あと松岡修造の回答もスマート。こういう企画で、池上彰とか壇蜜とかの答える内容、…

阿修羅も五徳

少しぐらいの噓は大目に ――向田邦子の言葉 (新潮文庫)作者:向田 邦子新潮社Amazon こういう本は、いいですよね。これから向田邦子作品を繙こうとする気にさせられる。向田邦子の全盛期である70年代は、封建的遺制が色褪せて、家族の共同性が空虚化されてく…

痴の考古学

リベラリズムの終わり その限界と未来 (幻冬舎新書)作者:萱野 稔人幻冬舎Amazon 萱野さん、どうしちゃったのかねえ。トランプがリベラルなんて言っちゃってたんだ。どうしようもないね。現在、メディアと知識人の関係で、自らの誤謬を省察して訂正する、とい…

昼間の馬鹿力

開局70周年記念 TBSラジオ公式読本作者:武田 砂鉄リトル・モアAmazon まあ伊集院の件なんだけれども。らじおと、午前中やってる番組のなかでは、当然突出して面白いんだが。ただ、ネタを仕込む手間が、相当かかってるらしく、そこでスタッフと軋轢が生じたと…

断筆宣伝

文藝春秋2022年2月号 (創刊100周年記念号第2弾)文藝春秋Amazon 筒井康隆インタビュー目当てで、文春本誌を紐解いたのだけれども。まあ、言ってることが、30年前から変わらんのう。初志貫徹というより、ただ単純に認識がアップデートできてない気がする。ま…

かおなし先祖

おかしな先祖 (角川文庫)作者:星 新一KADOKAWAAmazon 浅羽通明の『星新一の思想』を読んでから、あわてて星新一作品を読み返している。何が既読で何を未読スルーしているのかも忘れている状態。星新一作品はショートショートしか面白くないとの先入観がなぜ…

キメツのメッキ

テレビアニメ「鬼滅の刃」無限列車編 1(完全生産限定版) [Blu-ray]花江夏樹Amazon 鬼滅の刃の無限列車編、テレビでみたけれども、観客動員数史上№1になったのって、ほんとう? って感じだったよなあ。特典で釣った営業努力の甲斐があってよかったね、という…