本日のエピグラフ
壊れたぼくが、壊れた世界を、壊れた万華鏡のなかに覗き込んで。(P293より)
- 作者: 山田正紀
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/07/27
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 9 |
アクロバット | 9 |
サスペンス | 9 |
アレゴリカル | 9 |
インプレッション | 8 |
トータル | 44 |
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有栖川有栖『乱鴉の島』に続いて、またしてもNevermore――“記憶”をめぐる、追跡と錯乱の物語。“記憶”は(複数の)他者の“記憶”と縒り合わされることによって、客観的な“像”を結び、ひいては<世界>を現前させる。しかし、“記憶”そのものを客体化せんとする意思が、“死者”の“死”を遅延させる結果となる、そのヴィジョンが刺激的。すべてを終わらせる「Nevermore」というキーワードは、実は他者のものなのだった。これぞ、最後の生‐権力のかたちであり、このむこう側にゾーニング型権力が待ち構えているのだろう。