佐藤友哉『灰色のダイエットコカコーラ』(講談社)レビュー

灰色のダイエットコカコーラ

灰色のダイエットコカコーラ



 
貴種流離譚的妄想の断念が成長小説の核となる。で、これが<宿命>性の拒否でもあるのですね。暴力の聖性が剥ぎ取られて、たんなるチープな反復として露出するセカイでの試行錯誤の切実性を描き切った力作。