柴崎友香『主題歌』(講談社)レビュー

主題歌

主題歌



 何気ない日常を描いていても、ミニマルなドラマを織り込む手つきはさすがに巧みなもの。いかにも“現在”の風景を描いた表題作よりも、これはもう、まんまの市井小説である「六十の半分」の方が、新鮮だった。